清楚な女性は「かけそば」を食べてはいけない!?
十五杯目
清楚な女性は「かけそば」を食べてはいけない!?
せいろに盛られた蕎麦を、甘辛いそばつゆにつけて食べる「もりそば」。
夏の暑い時に、お酒の後の〆に、
「日本人でよかった〜」と思うほどにおいしい、蕎麦の基本中の基本の食べ方で
すね。
それに対して「かけそば」は、寒い冬に体をサッと温めるには最高の「日本人の
ソウルフード」です。
この2つのおそばの違いは、
「まめそば!二杯目 江戸っ子発! 冷たい「もり」と温かい「かけ」」
でもご紹介したとおりなのですがこの「かけそば」、江戸時代には「良家の女
性は食べてはならなかったのご存知でしょうか!?
そもそも「かけそば」が認知され始めたのが寛政年間(1789-1801)。
その原型となる「ぶっかけそば」(そばに汁をそのままかける食べ方)はそれよ
り100年程前から一般的になっていました。
その「ぶっかけそば」の始まりは、
「ええ〜い、面倒くせぃ!」と気の短い江戸っ子がはじめた習慣。
それだけに、「下賤な食べ物」というレッテルを貼られてしまったようでして、
「良い家の娘がそんなもの食べるんじゃありません!」
というような感じだったそうです。
明和六年刊行の『女用知恵鑑宝織』には
「そばだって、もちろん冷やしで食べましょう。男性のように汁をかけて食べて
はいけません!それは女性がすることではありませんよ。」
と書かれているそうです。
これを現代の家庭に置き換えてみますと…。
母「今日の夕飯は帰ったばかりで用意がないから、出前でもとろうかしらね。」
父「うん、そうだな。だったら蕎麦が食べたいな。」
母「私は、たぬきそばにしようかしら。」
父「俺は、いつものちからそばだな。」
息子「じゃあ僕、鴨南蛮!」
娘「私もー!」
父「こら!女の子が、そばに汁かけたものなんて食べるんじゃないっ!」
こんな感じでしょうか(笑)
これはちょっとディフォルメしすぎですが、
寒い冬に温かいおそばが食べれないなんて…かわいそうですね(苦笑)
もちろん現代の今では「はしたない」なんてことはありませんから、
かわいい娘さんにも「かけそば」食べさせてあげて下さいね〜!
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