そば屋の屋号に“庵”が多いのは何故？ - 生そば通販東京たぬきそば本舗金生庵四代目日記

Rustic Japanese Manor / Paul Davidson

当店の屋号“金生庵”。
これにもついている“庵”の文字、これっていったいどうしてなのでしょうか？
それにはこんなわけがあったんです！

昔、江戸の中期頃、浅草に極楽寺称往院というお寺がありましたそうです。

こちらのお寺に“道光庵”という別院がありまして、こちらの主、生まれが信州そば処の生まれでかなりのそば好き。好きなだけでなくそば打ちの名人でもあって、檀家の人々に自ら打ったおそばをだしては、喜ばれていたそうです。

そのうち、お寺目当てではないお客さんも増えてきたそうでして、そうなると自慢のそばが大受けな主も、したり顔ってなもの。
本職のそば屋顔負けと言われるまでになってしまいました。

その“道光庵”の名声にあやかろうと、当時のそば屋では屋号に“庵”を付けるのが大流行！

いまでもその名残で“庵”の字はそば屋の屋号に取り上げられるんです。

Blue Monk / chefranden

有名処では「長寿庵」「松月庵」など有名店も多いですよね？
当店“金生庵”もその「あやかり」の一部ということです(笑)

さて、ところでその“道光庵”その後どうなったかというと、実はあまり長く続かなかったそうでして、なんでもあまりの繁昌ぶりに寺なのかそば屋なのかけじめがつかなくなってしまい、親寺である称住院に「店終い」させられてしまったそう…。

その歴史は三代で打ち切られたそうなので、当店はその二の舞にはならなくて一安心！？

※今回の内容は過去の「まめそば」から転載したものです。