実際とイメージの境界線「手作りの味」について考えてみる
Innocent for Sacrifice / Y0$HlMl
こんにちは金生庵の四代目です。
今日は「手作りの味」についてちょっと考えてみる…というか思いついたことなどを少し。
このことについてはあるお客様からのメールが発端でした。
納得ができません!
「納得ができません!」とだけかかれたお客様からのメール。
それが届いたのは4月1日から一時的に開始いたしました「即日発送の停止」に関するお知らせを流した後でした。
私が特に残念だったのはそのお客様は以前から数度当店を利用してくださっていた方だったんですね。
まぁもちろん、それだけに「急な即日配送の中止は納得ができない」という趣旨だったわけなんですが。。。
じつは事前にいわゆる「お得意様」には事情を説明するメールを送付していたんです。
とはいえそれは毎月のようにご注文くださる方のみでして、ほんの一握りのお客様へのみだったんですね。
実際とイメージの境界線
ではどうしてそのようにしたのか。
それについては私がいつも気にかけていること「イメージ」があるからなんですね。
当店のWEBサイトは開店3年目。まだまだはじめたばかりのひよっこ店舗なのですが、おかげさまで多くの方からご注文をいただいております。
そこでちょっと問題になってくるのが「店構え」なんですよね。
通販店舗の店構えというとホームページのことを指すのですが、私としてはできるだけ素人ぽさを出さないように心がけてきました。
とはいえそんな立派はページをいきなり作り上げることもできませんから、この3年をかけて少しずつ改良してきたんです。それだけに今では「立派な販売サイトだねぇ」と褒められることも少なくありません。
ただこれが当店が家族だけですべての作業をしている店舗だということを、隠してしまっていたんです。
実際のこと
実際の当店はどんな形で全国配送を行っているのかといいますと、商品の仕込みから梱包・発送までを家族だけで行っているんですね。
これは意外と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、これが実際のところなんです。
それで先日からの「即日発送の一時停止」については家族が入院することになりまして、4名で行っていた作業を3名で行わなければならないわけですからこれは今まで通りのスケジュールではこれまでの商品クオリティーを保つのは難しいのではないかと、苦肉の策だったというわけなんです。
先ほどのお客様にはそのことを正直にご連絡しましたところ、ご納得いただけましたし、現在のところ発送スケジュールに関するお客様からのお話はそれのみで、問題なく業務を行っております。
イメージ
先ほども書いたとおり、当店では一部の商品をのぞきすべて手作業、手作りの品をお届けしております。これがなかなか大変なようですが、私としてはだからこそ美味しいものをお届けすることができるわけでして、それほど難しいことではないと思っております。
それよりも実際は手作りではないものを人間が手作りしているかのように見せるほうが大変なのではないでしょうか。
現在、夕方から夜にかけて頻繁にテレビで放映されているセブンイレブンのCMに私はしばしば違和感を覚えます。
それはあまりにもイメージが優先されたCMだからです。
例えばおにぎりのCMひとつとっても、まるで人間がひとつひとつ手で握っているかのようなイメージ。ほかほかのご飯に具をつめて、職人風の男性が握っているあのCMです。
もちろん私もセブンイレブンは利用していますから、企業そのものを否定するつもりもないのですがあのCMの片隅に書かれた「※イメージ」という注釈。あれにどうも違和感を感じると共に「大企業までがこのようなイメージ戦略をしなければならない」という所が気になるところです。
本当の手作りの味
例えば●●産●●使用!といったような素材に訴えかける広告もいまでは珍しくなく当たり前のことですが、やっぱり食べるもののおいしさを決めるのは人の温もりだと思うんですよね。
ダウンロードしてきた音楽を聴くのと、レコードに針を落として聴く位の差がそこにはあるのではないかと私は思うんです。
できあいの調理された食物を素人が調理して、それを食べる。
これがあまりにも当たり前になりすぎているのではないでしょうか。
「納得できません!」と言われてでも美味しい味をお届けすることを優先して、今回は良かったと思っております。
おなじみのお客様も少し慣れてきていただいたようで、発送が少し先になることを見越して早めにご予約くださるようになりました。本当にありがたいことです。
現在の発送スパンについては、もう少し継続させていただこうと思っておりますがそれだけにより一層おいしい蕎麦をお届けできるように努力していきたいと思います!