シリーズそばの健康について考える vol.2 ルチン
こんばんは、金生庵の四代目です。
先回より開始いたしました蕎麦の健康に与える効果シリーズ。
第2回はいよいよ成分についてなのですが、あまり堅苦しいと難しいだけですからいつものように噛み砕いてお話したいと思います。
フランス人は心臓病が少ない
美食家で知られるフランス国民に心臓病疾患者が少ない。
これは不思議ですが、まぎれもない事実なんです。
同じヨーロッパ諸国をみても同程度のカロリー消費量の諸国民、例えばドイツやオランダと比べても心臓病による死亡率が約半分程度なんです。
これはどうしてなんでしょうか!?
はい、その原因は「ワイン」にありました。
フランス人が常飲しているワインには多くのポリフェノールが含まれ、このブドウ由来の成分が血行を促進し病気になりにくい心臓を作り上げていたということなんですね。
ポリフェノールの一種 抗酸化栄養素「ルチン」
よくそば屋の店頭などに「一日一杯のそばでルチンを摂取!」なんてコピーが掲げられているのをご覧になったことありませんか!?
えーちなみに当店にはありませんが…。
でもこれ、あながち間違いではなくってですね。一枚のざるそばを食べるとおよそ一日分のルチンが摂取できるというのです。
ところでポリフェノールの一種と言いましたがポリフェノールっていったい何なのでしょうか?
良く名前は耳にしますが、多くの植物が持っている成分でその種類は5000種にも及ぶそうです。
その中の一つとして「ルチン」という成分があるんですね。
「カテキン」「タンニン」「イソフラボン」なんて成分も有名ですね、その1つということになります。
さて、このルチンという成分。オレンジやグレープフルーツなどの柑橘類、それからクランベリー・アスパラガスなどに含まれる成分なのですが、日本人にとって馴染み深く常食している「そば」にも多く含まれているんです。
ルチンの効能
ではこの「ルチン」って何に効果があるのでしょうか??
はい、ワインのポリフェノールと同じ(効能)ですから、基本的には心臓…「血」に関する部分でとても効果があるんです。
- 毛細血管を強くする
- 血圧異常による疾患の予防
- 抗酸化作用
- 紫外線吸収作用
- 動脈硬化予防
- 心疾患予防
これ以外にも飲酒時の胃を守る作用なんかもあるんです!
だから一杯飲んだあとの〆の蕎麦ってのはきちんとした意味があったんですね~
でも、気をつけてください!
一日一杯のそばを…とはいっても、そばつゆには結構塩分が多いですから、そばは食べても塩分の取りすぎには注意が必要です。
ですから、できるだけ少ないそばつゆに蕎麦をちょこんとつけて食べる。
残ったつゆは栄養素が染み出した「蕎麦湯」で割って飲む。
そう!これまさに「江戸っ子のそばの食べ方」なんですよ~
贅沢に揚げ物なんかで豪華になった蕎麦は…逆効果。。。
昔ながらの江戸っ子流が一番体に良い蕎麦の食べ方ってわけなんですね~
蕎麦ってまだまだ体に良い栄養素がたっぷりなんですよ。
次回はそばの栄養素「食物繊維」についてご紹介したいと思います!