『桜→綺麗』 変化するそば屋の通し言葉
Sakura light-up at Chidoriga-fuchi in Tokyo 千鳥ヶ淵 / Marufish
こんばんは、金生庵の四代目です。
東京ではすっかり桜の気配もどこへやら、といった具合に初夏のような陽気が続いておりますが、皆さんの地域はどうでしょうか?
まぁやっぱり日本人でしたら桜は皆さん目を引かれるでしょうし、
「私、桜がどうしても好きになれないんです!」
と、いう方も少ないのではないかと思います。
そもそも、桜はその昔から日本の代表的な花として愛でられてきたのですが、奈良時代の頃には「花と言えば梅」だったそうです。
もちろん桜もその中のひとつではあったのですが、現代ほどの騒がれ方はしてなかったんですね。
時は平安時代後期。
それまでの中国風文化から、日本風の文化がもてはやされるようになると日本でも「桜」がメジャーな存在へと代わっていったんです。
現在「桜」と言えばたいてい「ソメイヨシノ」を思い浮かべることが多いと思うのですが、実に600種近い桜が存在するんだそうですよ。
100円玉の模様にも採用ほど日本に浸透している「さくら」。
私は勝手に日本固有のものかと思ってたんですが、意外と欧米でもきれいな花を咲かせているんだそうですね。一度は目にしてみたい面ですね。
さくら→きれい 変化するそば屋の通し言葉
さて先回「そば屋の通し言葉」について少し書いたんですが、ご覧いただけたでしょうか?
その中で「きれい」という言葉があったと思うのですが、これは「少なく」を意味するそば屋の隠語なんです。
ここまで私が桜について熱弁してきたのも、今回はこの「桜はきれい」ってところがポイントだからなんですよ!
「きれい」を「少ない」の意味で当店では使用しているのですが、店によっては「さくら」というところもあるそうなんです。
もう、おわかりですよね。
「きれい」と言ったら「さくら」。
「少なく盛る」→「きれいに盛る」→「きれいなものは」→「さくら」。
はい、こんな風に変化してきたのではないかな~っと私は予想しております!
が、あながち間違えでもないと思うんですよね~。
こうした普段は使用しないような隠語って例えばすし屋さんの「しゃり」「あがり」なんかも結構知られた言葉になってますが、もともとはこうした隠語だったんでしょうね。
そういえばお会計の時に言う「おあいそ」って、もともとは店側が使う言葉だってご存知でしたか!?この続きはまた~というのも「愛想」がありませんから、簡単に解説すると、
「愛想が無くて申し訳ありませんが、お勘定をお願いします。」
という店側がへりくだる言葉なんですね。
だからお店で「おあいそ!」なんて元気良く使うと「もうこの店には愛想がつきた!」と聞こえなくもないのだとか…。
まぁ私はそんな古臭いこといいませんから、当店に訪れた時は「おあいそ!」とおっしゃっていただいても、ご来店いただけるだけで嬉しいですので(笑)